*** 塩の道沿線 ***
その2−小谷村 ■

塩の道沿線」今回は、−小谷村−を紹介します。
この時季の小谷村は何処へ行っても雪、雪、雪。2〜3日前にまとまった雪が降ったばかりなので、屋根雪下ろしに追われているだろうと想像しながら、
冬の
小谷村の様子を撮影しに行きました。

最初に向ったのが、北小谷の駅を過ぎて、右手の山を登りきった所にある深原集落です。集落の入り口に立ってみるとそこは下界(?)とは違った静寂の世界が広がっていました。

深原集落の全景

■ 深 原 集落

ここ深原集落の建物の特徴としては、外壁の白壁と腰壁の板張りに特徴があると思います。昭和40年〜50年代にかけて、外壁に波トタン(カラー鉄板)や、センターサイディング(鉄板サイディング)に張り替えるのが流行った時期がありますが、新潟に近いために海風の影響を考慮してか、今でも板張りのまま残っている建物が数多くあります。

集落の一番奥の高台にあるこの家は、周囲の住宅に比べ少し大きく、造りも一見旅館のように見えます。近づいて良く見ると人の出入りした形跡が全くありません。近くにいたお爺さんに「ここは旅館ですか?」と聞くと、「そこは昔の庄屋さんの家で、今は空家になってるだ。」と教えて下さいました。屋根には120cm程の積雪があり、周囲の家ではみな屋根雪下ろしをしているのに、ここだけは手づかずのままです。大丈夫なのだろうかと軒裏を見ると、3寸(90mm)角の垂木が2尺(606mm)ピッチに配置されていたので、これにはちょっと驚きました。庄屋さんの家だから特別なのかと思いましたが、周囲の家もみな同じ構造になっていて、ここ深原が豪雪地域であることを、改めて感じさせられました。昔は300cm以上降ったものだそうです。 

■ 雪国の集落
* 宮の上地区 * 光明地区
■ 雪国のくらし
今回の取材で感じたことは、雪下ろしをしている人も、下の雪を片付けている人もほとんど年配の人だったことです。過疎化が進んでいるのでしょうか?谷の村、「小谷」の日本の田舎を感じさせるこの町並みをいつまでも残して頂きたいと願うばかりです。

            (取材担当・太田史彦)

* 栃の木邸 * 大別当 地区
* 瑞穂地区 * 小谷温泉
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